Sins of the Father


これはChorrolで再会を果たした双子の兄弟が、自分達の故郷Wetherlearを取り戻した話の続編である。



戦士ギルドの所用でChorrolを訪れる事は度々あるのだが、最近妙な噂を耳にする様になった。
以前私が手助けした事で再会を果たす事になった双子の兄弟が、彼らの故郷Wetherleahと屋敷を取り戻しかの地で生活を始めた後辺りから、怪しげなDummer(DarkElf)がその兄弟の事を尋ねて回っている、と言うものだった。

私のところにも例に漏れず、何度か尋ねてきたのだが、「儲け話」的に話を持ってくるので全く相手にしていなかった。
あの兄弟を食い物にしようと思っているなら私が許さない、くらいに思っていた。



・・・しかし厳密には彼ら兄弟じゃなく、彼らの父親について秘密があるようなのだ。
私はある日、いつもしつこく付きまとってくるDummerの男の話を「少し聞くくらいなら聞いてやっても良い」と答えたのだった。

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やっとその気になってくれたか、と言わんばかりのDummerの男、名をFathis Ulesというんだそうな。



「あんたを失望させないと約束するぜ。
俺の話を知れば、それはお互いに益をもたらすだろう。」

ウザい前振りの後、彼は本題を切り出した。

「まずは父親のAlbert Jemaneの話から始めよう。
彼はかつて俺が雇っていた・・・いや、俺の組織が雇っていたといえば良いか。

奴は盗むのがとても上手かった・・・いわゆる、プロの泥棒だ。」

何!? 

「俺は奴にとても貴重な品を盗って来るように命じたんだ。
それは成功したんだが、奴はその品を着服しようとした。

奴は家族と共にChorrolから逃げ、そして戻ってくる事は二度となかった。
荒野の中を一人でさまよっていた、幼いReynaldだけが見つかった。

当然俺と同僚らは奴が死んだと思っていた。
結局、荒野は危険な場所だ。 家族と過ごす為にいられる様なところじゃあない。

それから長い年月を経て、あの兄弟は再会を果たした。」

私はイラついた。
で、結局何が言いたいんだ!?

「俺の話のポイントは、Albertが人里はなれた場所にWetherlearの家を建てた。
あいつは泥棒だった・・・農家ではなく。 そんな場所に建てる唯一の理由はChorrolの衛兵達の目を逃れる為だろう。

Albertの盗んだ、本来なら俺の物であるはずの品は、Weatherleahに隠されてたんだろう。
残念な事に、悪名高いRedguard Valleyのオーガ達は、その場所を略奪してその品も持ち帰ったんだろう。
どうにかしてその品を持って帰ってきて欲しいんだ。
取って来れたら代金を支払おう。

ああ、そうそう。 GuilbertとReynaldは、自分の父親が過去にした行為について何も知らない。
あんたがあいつらにその事を話したいのなら勝手にしてくれ。」

今回もオーガ相手・・・か。
で、探し出して欲しいという品はいったい何?

「俺から話しても良いが、見れば分かると思う。
それはオーガが持つような代物じゃないからな。」

見れば分かる・・・か。

今回の件に関しては、報酬なんてどうでも良かった。
GuilbertとReynaldの父の過去・・・そしてのその罪について関わる事になる。
私は真実を調べ、彼らにそれを打ち明けるべきだと思うのだった。



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Fathisの言っていたRedguard Valleyの洞窟は、Wetherlearからすぐ近くに位置していた。



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中は本当にオーガの巣だった。
こんなのを複数、洞窟みたいな狭い場所で単身相手にするのは本当に厳しい。
外ならある程度時間さえ掛ければ高台から魔法と弓で射殺してしまえるんだけど。


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というところでワニ君にお出まし頂いて矢面に立ってもらい、自分は魔法と弓で後方支援。



洞窟の一番奥にいた、一際強いオーガ・・・オーガ・チーフが持っていたのは

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『Honorblade of Chorrol(Chorrolの名誉の剣)』という名の一振りの剣だった。
恐らくFathisが言っていた、双子の兄弟の父が盗んだと言う宝はこれの事だろう。

名前から察するに、恐らく出所はChorrol城だろう。
泥棒の類をかき集めた組織を束ねていたであろうFathisにだって過ぎたる逸品。
元より奴の言っていた報酬になんて興味はない。

私は剣を持ってChorrol城に向かった。


sq020-06.jpg

彼はLaythe Wavrick、Chorrol伯爵夫人の伝令係という肩書きだそうだ。
彼にこの城から盗まれた品があるかどうかを尋ねてみたところ、

「何年も前、伯爵がまだ生きていた頃に、恐れを知らぬ泥棒が由緒あるこの剣『Honorblade of Chorrol』をこの城から盗みました。
なぜそんな事を?」

やはり。 彼にオーガから取り上げた剣を手渡した。

「素晴らしい! またこの剣を見ることが出来るとは思いませんでした!
だがどうやって・・・いや、余計な詮索はするべきではないな。

この剣と街の名誉を取り戻して下さった事に、Chorrolの人々に代わってお礼申し上げます。
感謝の印として、あなたに栄光と勇気の象徴である『Escutcheon of Chorrol』を授けます。」

と、盾を手渡された。
おお!これは! 攻撃を反射するエンチャントが施されてある。
他に類を見ない強さの盾だった。



さあ・・・最後の仕事に出掛けないといけない。



Chorrol城を出た向かった先は、もちろんあの双子の兄弟が暮らすWetherlear。
彼らの父の本当の姿について、話しておくべきだと思うのだった。
もう彼らは立派な青年だ。 真実をありのままに受け入れる事が出来るはず。



sq020-07.jpg

オーガに荒らされていた頃の雰囲気はすっかり消え、綺麗に片付いた屋敷とその周辺。
彼らは仲良く外にいた。

私を見つけるとGuilbertは駆け寄って来て、「あなたにして頂いたこと、聞きました。」と言ったのだった。
そうか・・・もう知らされていたのか。

「言葉もない・・・・。
既にChorrol城にあの剣が戻って来たと聞いたよ。 あなたが持つその盾が証拠だな。

父が私達の将来の為に備えて、何かを隠したと話していた・・・この事だったとは思いもしなかった。
父の間違いを正す仕事をさせて済みません。
また私達の為にあなたを危険な目に合わせてしまった。

もしかすると、私の一族は悪名高かったのかもしれないが、今のJemane家がすべき事を果たしていないなどと、決して言わせないよ。」

彼らの父、Albert Jemaneは名立たる泥棒だった。
そしてChorrol城に安置されている名剣を盗み出し、それを持ったままこのWetherlearに移り住んだ。
だが彼は泥棒であると同時に二人の双子の息子らの父だった。
子らの為にその宝を残そうとした、と言う事なのだろう。

そして今彼らは立派な青年としてこの地に戻って来た。
彼らのご両親もきっと喜んでるに違いないと思うのだった。

「この形見を受け取って欲しい。 私がまだ幼かった頃に父から貰ったんだ。
あなたが持つべきだ。」

と言って手渡してくれたのは4個のGrand Soul Gemだった。
これは生物の魂を捕らえて封じ込め、武器に魔法付与するための触媒として用いられる石。
結構な貴重品なのだ。

私はありがたくそれを受け取る事にした。



別れ際、Guilbertは

「あなたには名誉が相応しい、あなたのこれからの旅が安全でありますように。」

と送り出してくれた。

私も「これからのJemane家に幸多からん事を。」と告げ、彼らの土地を後にしたのだった。



Sins of the Father -終わり-

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