The Master's Son


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Anvilに晴れて自宅を構えた後の話、私は戦士ギルドの仕事を求めてChorrolにやって来た。
ここの戦士ギルドのModryn Oreynから“非公式”という、いわくつきの仕事の話を持ち出した。




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「お前にちょっと仕事があるんだ、少々非公式なんだが。
お前はViranus Dontonと共に任務を行う事になる。
そうだ、ギルドマスターの息子だ。」

Vilena Dontonの息子さんとの非公式な仕事・・・か。

「お前は奴と同行し、そして成功に導くんだ。
奴はもっと現場を体験する必要がある、自信を深める為にもな。
そうしなければ決して良い戦士になれはしねぇ。

Vilenaは坊やを甘やかし過ぎだ。 前線に立たせたがらないんだ。
またVitellusの様な目に合わせたくないんだろう。」

Vitellusって・・・まさか。

Vitellus DontonはVilenaの長男だ。 良い奴だったよ。
俺たちはちょっと前に任務で下手を打ち、奴を失ったんだ。
気が利くんならギルドマスターの周りでその話題は避けた方が良い。
いずれその事を話し合う事もあるだろう。

VilenaはViranusを手元に置き、守っているんだ。」

そう・・・、御長男が殉職しているなんて話も知らなかったが、息子さんが二人いて、二人とも戦士ギルドのメンバーという事自体も初めて知った。

で、話を戻して今回の仕事って?

「お前さんは奴と共にNonwyll Cavernへ行くんだ。
Galtus Previaがそこで行方不明になった。
お前はそいつを探す事になる。

俺たちは奴の叔母から契約を受けたんだ。
Nonwyllで宝石探しをしていたんだが、ぷっつりと消息が途絶えたんだ。
お前とViranusとで奴を見つけに行くんだ。」

ふむ・・・なるほど、と納得しかけたところへOreynはもう一つ付け加えた。

「それからこの事はギルドマスターには言うんじゃねぇぞ!」

オーケー、分かった。

「じゃあ奴に会いに行け。 恐らく自宅にいるだろう。
無傷で奴を連れて戻るんだぞ。」


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私はその足でDonton邸を訪れた。



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彼は屋敷の二階で食事を取っていた。

「やぁ今晩は。何か用かい?」

Viranusは気さくに私を迎えてくれた。
しかし事情が事情なのでそうゆっくりもしていられない、私はOreynからことづかった仕事の話を彼に告げた。

「仕事?あ、ああ…そうだな!僕は大丈夫だけど。
君、今Oreynからって言ったかい? そうか。まず、母さんと話さなくちゃいけないな…」

しかし彼の母であり、戦士ギルドのギルドマスターVilenaはこの件については何も知らない事を付け加えたところ、

「しかし、あの人がギルドマスターだし・・・やっぱり母さんが…あ、いや。
君が正しい。Oreynからの指示なら、それは正当なものだ。僕らはすぐに出発しなきゃ。

すまない。僕はほとんど契約をとってなかったんだ、兄さんの…兄の一件以来。 行こう。」

Vitellusの事か。

「ああ、僕の兄だ。任務で亡くなった。 Vitellusは勇敢に死んだ、皆が思っていたように。
彼は僕らの中では最高だった。きっと、母は彼をとても誇りに思ってるよ」

そう、と相槌を打つ私。
ようやく彼はその気になったようだ。

「GaltusはNonwyllのどこかにいるはずだ。 急ごう。」


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今回は戦士ギルドのメンバーの一人の命に関わる仕事だ。
一刻の猶予もないだろうと判断し、Viranusと話をした後の夜明け前にChorrolを発った。




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Chorrolからまっすぐ北に向かい、Nonwyll Cavernに着いた頃にはすっかり日も明けていた。
さあ、行方不明のGaltusを捜索しよう。


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洞窟の中はオーガ、トロールといった怪物達でいっぱいだった。
こいつらはやたらと体力があり、また力もめっぽう強いので複数を一度に相手にするのはちと骨が折れる。

Viranusは果敢に立ち向かっていたが、オーガの岩石落としの様な拳骨を喰らって度々気を失うほどだった。


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化け物達はいわゆる体力バカだ。 物理的な力に対する抵抗力は大したもんだが、事魔力に対してはからっきし弱い。
魔法の火であぶってやれば大抵魔力が尽きる前に倒せる・・・まあ我ながら戦士らしくないとは思うが。



我々は洞窟の奥深くでGaltusを見つけた。



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だが彼は既に事切れていたのだった。

ん・・・? この盾、どこかで見た様な・・・。

「信じられないよ・・・また人が死んだんだ。
Oreynのところへ戻って分かった事を報告しなくちゃ。」

Viranusにそう言われてふと我に帰った。
ともかくOreynの元へ戻ろう。


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「死んだ!? くそっ、何にやられたんだ?」

真相を知ったOreynが歯噛みしている。
我々は洞窟の中は怪物達でいっぱいだった事をつけ加えて報告した。

「それならそいつらがやったんだろう。
だが死体の周りにモンスターがいなかったのは妙だな、死体も食われなかったとは。

報酬をDontonへ支払うぞ、そしてこれがお前の取り分だ。
良くぞ無傷で連れて帰ってくれた。
そのうちお前らを本物の戦士にしてやるからな。」

Viranusは報酬を受け取り、帰宅の途についた。



私はOreynに続いての契約について聞いてみた。
すると、

「お前にはもう一度Maglirに会って貰わなきゃならねぇ。

あのゴキブリ野郎は別の契約もサボった。
お前にゃまた奴の子守をして欲しいんだ。」



あぁ・・・またあいつか・・・。



The Master's Son -終わり-