The Unfortunate Shopkeeper

 

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先のネズミ事件の報告を終えた後、私は更なる仕事を求めてAzzanに話し掛けてみた。 すると、
「そうか、ちょうど良いのがあるぞ。 この街のNorbert Lellesの話を聞きに行ってもらいたいんだ。」

彼は港の方でLelle's Quality Merchandiseという店をやってるそうなのだが、そこへ泥棒に入られる事に頭を悩ませてるんだそうだ。

 

 

 

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早速その店へ行ってみた。





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「ああ、あんた戦士ギルドから来てくれたのか。 ここ数ヶ月の間何度も泥棒がうちの商品を盗んでいくんだよ。
仕入れては盗まれる、の繰り返しだ。 鍵も新調したのに・・・役立たずめっ!
奴らはいつも夜やってくるんだ、俺が寝入った後で。
恐らく一味の中に魔法使いがいて、奴らを中に移動させてるんだ。
そこであんたの出番だ、ちょっと今夜一晩店の中で奴らが来るか張り込んでくれないか?
俺は隣のバー、Flowing Bowlで吉報を待ってる、あんたなら出来ると信じてるよ。」

と勝手に鍵を預けて店を出て行ってしまった・・・やれやれ、私の言ってる事が全くの出任せで、私こそが泥棒だったらどうするつもりなんだろう?
店を持っている様な経営者としてはちょっとばかり抜け作さんっぽい気がする。
とはいっても、盗む事で全国のお尋ね者になってしまうのと引き換えにしても良いと思えるくらいのとんでもない品がこの店にある訳もなく・・・。

私は溜息を一つついて、カウンターの奥の椅子に腰掛け、夜まで仮眠を取る事にした。
泥棒相手なら、どうせ一暴れする事になるだろうし。


 

どれくらい眠っただろうか。 ふと物音が聞こえた気がしたので目が覚めた。
外はすっかり日が落ちてしまっている様だ。

・・・と一瞬間をおいてようやく覚醒してきたので目を上げると



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「あ」

目の前に、如何にも怪しい足取りでこの店へ入って来たらしい男らのうちの一人と目が合って、つい私も、相手の男も声に出てしまった。

賊が侵入して来た。 ちょっと寝惚け眼でもこれだけは間違いなさそうだ。


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男達は慌てて剣を抜き、皆一様に私に襲い掛かってきた。



「ちょ、ちょっと待った!!」

さすがに1対3はかなり辛い。
広い場所で戦えば袋叩きに合う事間違いないので、囮にはなるかと急いでホネ君を呼び出し、自身は店の奥の階段へ駆け込む。
ここなら1対1にしかなれない。

2階へ完全に押し込まれるとこれまた袋叩きに合う事必然なので、Breton人の奥の手Dragon Skinを自身に掛け、後はひたすら剣と破壊魔法を撃ち込み続けた。

後はもうなるようになれ!だ。




 

「ふううぅぅぅぅ~っ」


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さすがに危なかったが、何とか撃退。
今回ばかりは文字通り死に物狂いでがんばった。

ともあれ泥棒たちは成敗し、私は生き残った。
さあ、隣のバーで待ってる店主に報告だ。


 

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「奴らを捕まえたって? 凄いじゃないか。」

大剣を背負ってるとはいえ、女の私には無理とでも高を括っていたのだろうか。
泥棒を成敗したことについて大層驚かれた。

「でも・・・よく知った名前ばかりだな。 全員俺のところで働いてた者ばかりじゃないか、なんてこった。
俺は奴らを信頼して、毎朝店を開くことも任せていたんだ。
何で盗みなんかしようと思ったのか想像も出来ないよ・・・悲しい事だ。」

と嘆きつつ、私に仕事の報酬を手渡した。
その彼らも余り長く勤めてた訳でもなかったらしい・・・もしかしたら最初から盗みの下見目的とかだったかも。

あなたちょっと人を信用し過ぎる嫌いがあるかもね。
それはもちろん悪い事ではないとは思うんだけど。
少しくらい用心する必要はあるんじゃないかと・・・と内心思いつつ、それは言葉にするべきではないと思い、飲み込んでおいた。


Anvilの戦士ギルドに戻り、この件についての報告と次の仕事の話を聞きにAzzanの元へ戻ると、ApprenticeからJourneymanへの昇格を認められた・・・これは嬉しい。
戦士ギルドへ入隊してからこっち、割とトントン拍子で事が進んでる気がする。
意味も分からず投獄され、数奇な皇帝様の遺言に縛られかけてお先真っ暗だった私の人生が今、追い風を受け始めたのかも。



・・・で、次の仕事はChorrol、ですか。
オッケー、私の戦士ギルドのメンバーとしてのスタート地点へ戻るとしよう。

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The Unfortunate Shopkeeper -終わり-