Lifting the Vale(前編)


戦士ギルドの仕事でBrumaに滞在中の出来事。



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Brumaの街中を歩いていると、見知らぬ男が突然私の前に現れた。

「こんにちは。 BrumaのNarina Carvain伯爵夫人の使いの者でTolganと申します。
夫人はあなたの都合がつき次第、親交を深めたいとおっしゃっております。」

私と? ・・・どういう意味ですか? 何か理由があるので?

「あなたが伯爵夫人と直接お話されれば、夫人はお喜びになるでしょう。
また夫人は、そのための謝礼の一部として、このお金を用意されました。」

と言って、いきなり私の手に25Goldの現金を握らせたのだった。
とっさの事だったので不意を突かれた。

私は「謝礼って何の事?」と言いながら、この言われもない謝礼をTolganに返そうとしたが、彼はそれを拒否して、

「伯爵夫人は毎日午前8時から午後6時まで宮廷にいらっしゃいます。
面会されるならその時間内が良いでしょう。」

と、自分の話すべき用件を話すだけ話し、早々に立ち去ってしまった。



・・・不本意ながら先にお金を受け取ってしまった事もあるし、いずれ時間が作れた時にBruma伯爵夫人に接見させて頂くとしよう。




数日後。

私はBrumaでの他の所用を終え、Bruma城の伯爵夫人の元へ訪れた。



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「Bruma市民から、あなたの事をたくさん耳にしました。
それで、Tolganがあなたに手渡したであろう謝礼に、あなたは満足したと思っていいのかしら?」

別にお金が欲しくて会いに来た訳じゃないけど。
まあご身分のよろしい方々は何事も金で解決しようと言う傾向が見えるのは世の常だ。

「改めて自己紹介致しましょう。 私はNarina Carvain伯爵夫人です。
私が身の回りに展示している物は全てAkaviriの品である事に気がつきましたか?」

お・・・そう言えば。
夫人の周りに設置されてるショーケースの中にはAkaviriにまつわる品が納められていた。

「そう、私はそれらのコレクターといって間違いありません。
私は多大な時間を費用を費やし、それら古代史の断片を手に入れて来たのです。」

う・・・これまた典型的なお金持ちの道楽パターン。

「実際私のコレクションはCyrodiil中、もしかしたらそれ以上にもっとも充実したものだと敢えて公言して来ました・・・唯一つを除いては。

長年、ある品が手に入れられなかったのです。
このAkaviriの古代遺跡の一つを手に入れる事こそ、我がコレクションを完成させるものになるのです。

それは、かのDraconian Madstoneの事です。」

Draconian Madstone?

「それはAkaviriの職人技の中でも飛びきりのものです。
アミュレットの如く身にまとえば、その主を如何なる類の毒からも護る、と言われている。

それはヘビが周りを取り囲むような姿をしているらしいわ。
そしてそのヘビの目は高価な宝石か何かで出来ていると考えられています。

私の情報では、Madstoneが最後に確認された場所はPale Passにある遺跡だと言う事です。

あなたはPale Passの歴史についてはご存知かしら?」

私の好奇心はその様な古い歴史には反応しないらしく、詳しい話についてはさっぱり知らなかったので、その様に答えた。

伯爵夫人はPale Passにまつわる、ご自身の知識としての歴史を語り始めた。

「第一期の終わり頃になりますが、ここTamrielに足掛かりを得ようとして、Akavirの大陸から侵略者がやってきました。

当時、帝国は小さな派閥に分裂しており、Reman Cyrodiilは彼らをまとめてAkaviriの侵略者に抵抗出来る軍隊を組織しようと決断しました。
この軍隊はReman軍として知られる事となり、Akavirの侵略者達と、現在でいう北Cyrodiil地方で衝突しました。
開戦当初、Akavir軍は強く、補給も整っていました。

しかし彼らの最大の失敗は、その目的のためにMorrowindを通過するルートを行軍した事、そしてVivecから受けるであろう反感を無視していた事でした。
彼らはSir VivecがDreughのTrident-Kingsと同盟を結んでいる事を考慮に入れていなかった。
結果として彼らはMorrowindから不意打ちを受けました。

Akaviriは二正面戦闘になっただけではなく、海からの援軍を得る事も補給も絶たれてしまった。」



Reman Cyrodiil・・・この国の第一期と呼ばれる時代の最大の英雄として名を知られる。
Akaviri軍を倒し、彼らを説得して現在の帝国を立て上げるのに協力をさせた。

彼はMorrowindを除くTamrielのほとんどを征服し、皇帝の冠を受けた。
皇帝戴冠の祭典は彼によって設けられ、それには先の皇帝暗殺の事件の折、皇帝から与ったAmulet of Kingsの作成も含まれていたという。

Akaviri侵攻時の彼の連合軍には、『神算鬼謀』の将として知られるSir Vivecも帯同していたという。



・・・で、話に戻る、と。
それで戦闘は終結?

「いえ、そうでもありませんでした。
組織化されたAkaviriの部隊が山中の秘密の司令部からの指示を受けて動いており、彼らは決してもろくはありませんでした。
そしてReman軍はその事を把握していた。
噂ではその場所がPale Passと呼ばれる雪深い谷にあるらしいのです。

Remanが注意を払っていた場所だったようですが、彼の部隊がJerall山脈を縦断して戦っていた時、Akaviriは突然降伏しました。
その時は彼らがReman軍に圧倒されての事だと考えられていたのですが・・・奇妙な事に、Pale Passとその司令部は結局見つからなかった。
それは噂として片付けられ、Reman軍は勝利と共に世に知られる事となったのです。

秘密の司令部が存在したと言う噂、そしてたまたまDraconian Madstoneの消息が最後に報告された場所でもある・・・それが私の目に止まったのです。



私のためにDraconian Madstoneを回収してくだされば、あなたに報酬として金貨と、他のAkaviriの品を差し上げましょう、やる気はありますか?」



・・・歴史的背景は何となくしか理解できなかったが、とにかくPale Passと呼ばれるところにAkaviriの秘密司令部跡とBruma伯爵夫人が欲しがるAkaviriにまつわる品があるというのは分かった。

「それを持ち帰ればいいんですね? やりましょう。」

と答えた。
夫人は

「応じてくださると思っていました。
ではMadstoneを探す方法をお教えしましょう。」

と、一冊のノート、地図、そして何かの鍵を私に手渡した。

「私はAkaviriの伝令によって書かれた日記を手に入れました。
この日記には遺跡への道筋が書かれています。

これは解読できた日記の一節です。 ひどく痛んでいました。
一緒に描かれていた大まかな地図も添えておきましょう。

あと、日記と共に見つかったと言う特殊な鍵もお渡ししておきます。
恐らく現地で役立つはずです。」



・・・その日記の解読書には、Akaviriの伝令係が命からがらPale Passまで指令書を持って運んだが、野生動物や『人間の姿形をした怪物』に襲われ、志半ばにして力尽きるまでの様子が詳細に書き込まれていた。



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これが略地図。
そして日記に書かれていた『Dragonclaw Rock』と呼ばれる大岩、『The Sentinel』と呼ばれる巨像、『Serpent's Tail』と呼ばれる抜け道?への入り口の位置関係が記されている。

Akaviriが史実で北方から攻めてきた事は明らかなので、恐らく戦場となっていたというDragonclaw RockはBrumaより更に北方、そしてPale Passは更にその北・・・、『Serpent's Tail』という抜け道を抜けた先にあるのだろう。



さあ、支度を整えて歴史的発見と言う奴を求める旅に出かけるとしよう。



Lifting the Vale(前編) -終わり-